
【プロに聞く】コーティングで選ぶ!毎日使いたいフライパン
調理に欠かせないフライパンですが、コーティングの素材によって使い勝手や扱い方が変わってくることをご存じですか?使用頻度が多い調理道具だからこそ、ストレスなく使える物を選びたいですよね。
今回は、料理家の風間章子さんに、毎日使えるコーディング加工されたフライパンをおすすめしてもらいました!
フライパンのコーティングにはどんな意味があるの?
「フライパン」と聞いて、多くの方が最初に思い浮かべるのはフッ素(テフロン)加工のフライパンだと思います。実際のご家庭でも、コーティング加工されたフライパンを使っている方が多いのではないでしょうか。
そこで、コーティング加工されたフライパンと、そうでないフライパンとではどのような違いがあるのか、風間さんに教えていただきました。
「コーティング加工の代表は、フッ素(テフロン)加工やセラミック加工のフライパンです。フッ素(テフロン)加工の中には、マーブルコート加工やダイヤモンドコート加工も含まれます。
これらのフライパンの最大の特徴が、“くっつかない”こと。油を引かない、もしくは少量の油で調理することができるので、ヘルシーに仕上げることができます。また、くっつきや焦げつきが起こりにくく、汚れが落ちやすいので、お手入れが簡単なところも魅力です」
反対に、コーティング加工されていないフライパンの代表が、鉄製のフライパンです。こちらは、どんな特徴があるのでしょうか。
「鉄製のフライパンの最大の魅力は、熱伝導性の良さと、頑丈で長持ちすること。調理面が均一に熱せられるので、特にお肉を焼くときなどは焼きムラがなく、表面はカリッと、中はジューシーに仕上がります。
一方で、表面がコーティングされていないことにより、くっつきやすく、焦げつきが起こりやすいのがデメリット。焦げつきを防ぐために、使うときにはちょっとしたコツが必要なので、使い慣れるまでに時間がかかる場合もありますね」
コーティングの種類とそれぞれのメリット・デメリットは?
フライパンはコーティングの種類によって、さまざまなメリットとデメリットがあります。一つずつ見ていきましょう。
・フッ素(テフロン)加工
調理面にフッ素樹脂を吹きつけてコーティングしているフライパン。
<メリット>
・調理中に食材がくっつきにくい
・簡単に汚れを落とすことができる
<デメリット>
・高温や温度差に弱く、耐久性が低い
・マーブルコート加工
フッ素樹脂に、細かく砕いた大理石を混ぜた物でコーティングしたフライパン。
<メリット>
・フッ素(テフロン)加工に比べると耐久性がある
・摩擦に強く、コーティングがはがれにくい
・食材がくっつきにくい
・汚れを落としやすい
<デメリット>
・高温や温度差に弱い
・ダイヤモンドコート加工
フッ素樹脂に人工ダイヤモンドを混ぜた物でコーティングしたフライパンのこと。
<メリット>
・フッ素(テフロン)加工に比べると耐久性がある
・摩擦に強く、コーティングがはがれにくい
・食材がくっつきにくい
・汚れが落としやすい
<デメリット>
・高温や温度差に弱い
・セラミック加工
フライパンの表面を陶器やガラスなどの素材でコーティングしたフライパン。
<メリット>
・耐熱温度が400℃と高い
・摩擦に強く、コーティングがはがれにくい
・食材が焦げつかない
<デメリット>
・食材がくっつきやすい
・強い衝撃を与えると割れてしまう
コーティングを長持ちさせるフライパンの使い方とは?
「コーティング加工されたフライパンは、コーティングに傷みが目立ち始めたら買い替えたほうがいいでしょう」と風間さん。「調理中に、食材のくっつきや、焦げつきが出てきたら買い替えのタイミングです」。逆に言うと、食材のくっつきや焦げつきがなければ、まだまだ使えるフライパンということになります。
風間さんによると、コーティングを少しでも長持ちさせるために、使うときは次のようなことに気をつけたほうがいいそうです。
<コーティングされたフライパンを長持ちさせる5つのポイント>
・金属製の調理器具を使わない
・空焚きをしない
・強火で調理しない
・使った後、熱いうちに水に浸けない
・研磨剤の入った洗剤、スポンジを使わない
「コーティング加工されたフライパンで最も気をつけなければいけないのは、コーティング面を傷つけないことです。そのために必ず守ってもらいたいのが、この5つの基本。フライパンが長持ちしないとおっしゃる方は、この原則を知らないことが多いんです。
中でもコーティングにとって大敵なのは、加熱のしすぎと急激な温度差。空焚きを避け、調理するときは弱火から中火、洗うときはフライパンが十分に冷めてから行うといったことを心掛けるだけでも、コーティングの寿命がだいぶ変わってくると思います。
同時に、金属製の調理器具や、研磨剤入りの洗剤、スポンジの使用も避けたほうがいいですね。フライパン選びには気を使っても、調理器具や洗剤、スポンジの素材までは気にしない方が多く、意外と盲点なんです。細かいところではありますが、ぜひ注意してみてください」
フレーバーストーンのコーティングの特徴
フッ素(テフロン)加工やセラミック加工と同様、コーティング加工されたフライパンに分類されるフレーバーストーン。日頃、さまざまな種類のフライパンにふれている専門家の風間さんから見ると、フレーバーストーンのコーティングは、ほかのフライパンとは一線を画しているといいます。
「フレーバーストーンは多層構造のコーティングがすごいですよね。調理面のくっつきにくさ、焦げつきにくさはもちろんですが、ベースが3層になっていることによって熱伝導性が良いのが魅力。わずかな火力でも食材にしっかりと熱が通るので、コーティングにダメージを与える空焚きや、強火での調理を避けることができます」
※ヘルシーグリル・ダイヤモンドエディションを除く
「なんだかんだ言っても、フライパンは細かいことを気にせずに使えたほうがいいと思うんです。そういった意味では、フレーバーストーンのフライパンは機能性、耐久性ともに申し分ないです。それから、個人的に気が利いているなと思うのは、調理面のコーティングがフライパンのふちの際までしっかりと施されているところ。内側にだけしかコーティングされていないと、フライパンからお皿に移すときにくっついてしまったりするんですよね。グリップも持ちやすい設計になっていますし、日々のお料理にストレスなく使えると思いますよ」
風間章子さん
料理家。調理師。1974年生まれ。イタリアンレストラン&バー「PAPER MOON」で修業し、カフェやダイニングバーの立ち上げに携わる。雑誌や広告、ウェブなど、さまざまな媒体でメニュー提案、料理監修などを手掛ける。現在はキッチンスタジオ「人形町キッチン」を運営。料理の楽しさを伝えることを目的に、料理教室を主宰。
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